平成25年9月5日、法改正により嫡出子・非嫡出子の相続分に関する法律が大きく変わりました。
非嫡出子の相続分については 非嫡出子に関する法改正 を参照ください


非嫡出子の相続分において、差別である・違憲であるとの考えが根強くありますが、まだ法律の改正には至っておりません。(最高裁は合憲と判断している)
ここでは非嫡出子の相続分についての是非については言及しませんが、そもそも
嫡出子、非嫡出子とはどういうものか解説します。

嫡出子

嫡出子(ちゃくしゅつし)とは、法律上の婚姻関係にある男女の間に生まれた子供を言います。法律上の婚姻関係とは、一般的には「籍を入れた」夫婦と考えてください。

嫡出子
婚姻中に生まれた子供
婚姻中に妊娠し、父親が死亡した後に生まれた子供
婚姻中に妊娠し、離婚した後に生まれた子供
未婚時に出生し父親に認知された子供で、後に父と母が婚姻したとき
未婚時に出生した後、父と母が婚姻し、その後に父親が認知した子供
養子

非嫡出子

非嫡出子(ひちゃくしゅつし)とは、婚姻関係にない男女の間に生まれた子供で、上記、嫡出子に当てはまらない子供を言います。
法定相続分でも述べたとおり、非嫡出子の法定相続分は嫡出子の2分の1になります。

思わぬ落とし穴
Aさんという女性がいました。Aさんは未婚時に娘を出産しました。その後、娘の父親と違う男性と婚姻。夫婦の間に娘が生まれました。その後に離婚。

離婚後は母親と娘2人の3人家族で暮らしていました。

Aさんにとって、二人ともおなかを痛めた子供であり分け隔てなどありません。
しかし法律上は、上の娘は非嫡出子、下の娘は嫡出子であり、相続分に差が有ったのです。
Aさんが死亡し相続が開始しました。法定相続分は上の娘3分の1、下の娘3分の2です。同じ母から生まれたのに差がついてしまったのです。

非嫡出子は養子にできる

『実の子供を養子にする』と言うとなかなか受け入れがたい変な感じがしますが、非嫡出子と養子縁組することで嫡出子たる身分を得る事ができます。
(嫡出子である実の子と養子縁組をすることはできません)

平成25年9月5日以降、嫡出子と非嫡出子の相続分は同じになりましたので、相続分を同じにする目的だけなら養子縁組は不要です。







作成された遺言書を添削します

遺言書は法律に定められた書式でなければ無効です。
書式が有効であっても内容に不備があれば意味のない物になります。
書式、内容をチェックし、間違いない物にするだけではなく、遺言書を用いた手続きがスムーズになるよう添削します。