有効な遺言は法律の効果を生じさせます。
『X銀行Y支店口座番号123の預金はAに相続させる』と記載のある遺言があれば、遺言者が死亡すると同時にこの預金口座はAの物になります。

A以外の相続人が難色を示しても、遺言があればAが相続することになります。
つまり、個々の相続人の考えより遺言が優先します。

このように遺言には遺言者の思いをそのまま実現する効力があります。
もっとも『どんな内容の遺言にも、相続人が拘束される』となると大変です。
法律によれば、遺言で決める事ができるものは大別すれば次の三つです。

  • 財産に関すること
  • 身分に関すること
  • 祭祀の承継のこと

この三つ以外のものは、効力がありません。例えば

  • 『兄弟は仲良く、母親の面倒を見てくれ』
  • 『先祖代々の土地を、人手に渡してはならぬ』

などに効力はありません。故人の遺志を尊重するかどうかは相続人の自由です。

財産に関すること

ほとんどの遺言は財産に関するものと言って過言ではないでしょう。
特に『どの相続人に何をどれだけ相続させるか』 『相続人以外の誰に何をどれだけ遺贈するか』が最重要ポイントと言えます。
それ以外には、『財団設立(寄付行為)』、『5年以内の遺産分割の禁止』などがあります。

身分に関すること

身分に関する事柄は厳格に決まっています。

遺言可能な身分に関する事柄
遺言による認知
未成年後見人の指定
後見監督人の指定
遺言による相続人の廃除、および排除の取り消し
遺言執行者の指定

祭祀の承継

お墓、お仏壇など先祖を祭るために用いられる財産などです。通常これらの物は分割にそぐいませんので、一人だけが受け継ぐ事になります。
誰が受け継ぐのかを遺言で指定する事ができます。







作成された遺言書を添削します

遺言書は法律に定められた書式でなければ無効です。
書式が有効であっても内容に不備があれば意味のない物になります。
書式、内容をチェックし、間違いない物にするだけではなく、遺言書を用いた手続きがスムーズになるよう添削します。