300日問題 | 相続遺言コラム | 相続・遺言の手引書

中司行政書士事務所 相続・遺言の手引書

300日問題

コラム No.13   平成19年7月28日

300日問題と言うものがあります。昨今テレビ等での『無戸籍児童』報道でご存知の方もいらっしゃるでしょう。

法律の条文 民法 第772条(嫡出の推定)
妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する。
2)婚姻の成立の日から二百日を経過した後又は婚姻の解消もしくは取り消しの日から三百日以内に生まれた子は、婚姻中に懐胎したものと推定する。

簡単に説明しますと、離婚後300日以内に生まれた子供は、前夫の子供とされます。たとえ実の父親が前夫とちがっても前夫の子とされます。

誰の戸籍に記載されるのかと言うと、『父母が婚姻中に記載されていた戸籍』です。
婚姻中、夫の姓を名乗っているなら夫の、妻の姓を名乗っているなら妻の戸籍に記載されます。

婚姻により夫の姓を名乗ることが圧倒的多数を占める現状においては、『別れた夫の戸籍に生まれてきた子供は記載される』と言ってもよいでしょう。

そして記載後、家庭裁判所にて「嫡出否認の訴え」や「親子関係不存在」等により、晴れて正しい父親の子供と戸籍の記載が訂正されます。

今年の5月21日、この取扱いが一部かわりました。
と言うのは、離婚後の妊娠でも早産のため300日以内に生まれた場合、『離婚後に妊娠した』と言う証明をそえることで前夫の戸籍を経由せずに母親のもしくは離婚後の新たな夫婦の戸籍に子供が記載されることになりす。

実際には、婚姻中の妊娠が9割を占めているため、この取扱い変更で救済(?)されるのは1割だそうです。

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勘違いされている方が多いようなのであえて書きますが、『無戸籍児童』は戸籍がもらえないのではありません。

前夫の戸籍を経由しなければなりませんが、出生届を出すと同時に『戸籍に記載』されます。

それを母親の思惑により『あえて戸籍を作らない』のです。

たしかに同情せずにはおれない事情がある方もいらっしゃいます。私もこのままの状態が好ましいとは考えていません。
親子関係不存在に変わる制度の創設や、親子関係不存在の簡易化などは論じられるべきではないかと思います。

ただ、感情的・感傷的な『本当の父親ではない別れた夫の戸籍に入るのは許せない』という理由で無戸籍児童にするのはもってのほかと私は考えていますが、いかがでしょうか。

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